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きょうされん宮城 市民公開セミナー(報告)

真の制度改革実現を目指して

今回のきょうされん宮城市民公開セミナーにおいて、加盟のCILたすけっと杉山氏より感想をいただきました。


市民公開セミナーに参加して

CILたすけっと 副代表 杉山裕信 

 去る1月20日に、きょうされん宮城支部が主催した、市民公開セミナーに参加しました。
昨年末に衆議院選挙があり政権が交代する中で、今後障害者福祉はどうなっていくのだろうと皆が不安に思っている中で、タイムリーな企画でした。藤井克徳さんを迎えて、前政権で行われた一連の障害者福祉制度改革の流れや基本文書や骨格提言や部会意見の重要性について、とても分かり易く話して頂きました。例え現政権が制度改革に積極的じゃなくとも、これらの文書は公式文書として残るわけだから、この文書に書いていることに近づける努力を国としてはやらなければならないはずなので、諦めることはないという言葉に大変力づけられました。
 これまでの、骨格提言や部会意見は障害者基本法、障害者総合支援法、障害者差別禁止法に対する具体的な提案です。これでは、障がい者福祉は施しでしかなく、障がい者の暮らしは一向に良くなりません。
 2006年に国連で障がい者権利条約が採択され、日本でも署名に続き批准がなされようとしています。この条約は一言で言うならば、「障がい者に対する見方を、福祉施策の客体から権利の主体者に変える」ということです。この条約の批准を前提に考えるならば、障がい者の法律は全て条約に見合うものにしなければならないというのが、障がい者制度改革推進会議の考え方でした。
 しかも、この3つの法律をつくってから、障がい者権利条約を批准しようとしていますので、3つの法律をしっかりしたものにするためにも、その大元になる障がい者基本法に「障がい者は権利の主体者である」ということがしっかり書きこまれたことは大きなことでした。
 しかし、この後、障害者自立支援法が、ほとんど内容の変わらない障害者総合支援法になったり、障害者差別禁止法は政府案が出てくるかさえ分からない状況になりました。
 これからの展開によっては、あらゆる局面でいわゆる「骨抜き工作」が行われる可能性があります。私たちの望まぬ法律ができるのは許せません。私たちの考え・思いを理解頂き、私たち障がい者のため、いやもう一歩進めて考えれば健常者を含めた日本国民のために「骨抜き」を許さない活動をしていくことが重要だと思いました。
 これからの障がい者運動のポイントは、障がい者制度改革推進会議が法律づくりにも、どれだけかかわれるかということで、「何をつくるかではなく、誰がつくるか」という所となってくる、という藤井さんの発言は大事なことだと思いました。

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↑ 市民セミナーで講演するきょうされん藤井常務理事


今回ご報告いただいたCILたすけっとのブログはこちらです。

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